短期滞在ビザでできること・できないこと|観光・商用・親族訪問の範囲と注意点【2025年版】
短期滞在(Temporary Visitor)は、原則就労を伴わない短期間の滞在のための在留資格です。典型例は観光・商用・親族訪問。一方で、アルバイトや報酬を得る活動、長期の就学・研修はできません。本記事では、実務で問合せが多い「できる/できない」の境界、必要書類、延長可否、入国時の注意点を整理します。
- 短期滞在とは(対象・在留期間)
- 短期滞在でできること
- 短期滞在でできないこと
- 必要書類と申請のポイント(観光/商用/親族訪問)
- 入国時・滞在中の注意点
- 延長はできる?(原則不可/例外)
- よくあるグレーゾーンと代替手段
- FAQ
- 関連ページ
短期滞在とは(対象・在留期間)
- 対象目的:観光、商用(会議参加・取引先訪問・契約交渉・見本市参加 等)、親族・知人訪問、視察、短期の文化・スポーツ交流、治療目的の来日(※専用スキームや招へい書が必要な場合あり)。
- 在留期間:入国審査で15日/30日/90日などが付与(国籍・目的・実績等により決定)。複数回数次ビザの場合も1回の滞在上限は変わりません。
- 在留カード:発行されません(着陸許可のスタンプ/シールのみ)。マイナンバーも原則付与されません。
短期滞在でできること
- 観光目的の滞在:観光・友人訪問・日本文化体験・地域イベント参加(無報酬)。
- 商用(就労を伴わない):会議・打合せ・契約交渉・市場調査・展示会出展の準備/立会い・社内研修の受講(給与が日本から支払われない範囲)。
- 親族訪問:家族・親族の滞在先での滞在(扶養や介護のための短期滞在も、内容・期間により検討可能)。
- 短期間の無報酬学習/見学:学校のオープンキャンパス、無報酬の短期ワークショップ受講など(学位取得・長期通学は不可)。
- 契約の締結・不動産内見:居住用賃貸の内見・契約、口座開設の打診等(実務上は金融機関の基準により本人確認が難しい場合あり)。
短期滞在でできないこと
- 報酬を得る活動・就労:アルバイト、出演料を伴うパフォーマンス、業務委託での制作/通訳等。
- 長期の就学・研修:学位課程・長期語学留学・有給インターン/OJT(留学・特定活動等を検討)。
- 入国後の在留資格変更:原則として短期→就労/留学への変更は不可(例外的な事情を除く)。
- 在留期間を超える滞在:延長は原則不可(下記参照)。超過すると不法残留(オーバーステイ)となり重大な不利益。
- 住民登録・社会保険加入:在留カードがないため、原則として住民登録・国保加入・携帯や銀行口座開設が困難。
必要書類と申請のポイント(観光/商用/親族訪問)
国・目的により必要書類は異なります。以下は実務上の代表例です(査証免除国は在外公館の案内を必ず確認)。
観光(自己手配)
- 旅程表(宿泊先・移動計画)、往復航空券の予約、残高証明(旅費・滞在費の裏付け)
- (招へいがある場合)招へい理由書・身元保証書、招へい人の住民票/課税証明 等
商用(会議・打合せ・展示会等)
- 所属会社の在職証明・派遣辞令、招へい企業の招待状/アポイントメール、往復航空券・宿泊先
- 出張日程・会議案内・展示会出展証明 等(就労に当たらない範囲の説明を明確に)
親族訪問
- 親族関係を示す公的書類(戸籍・出生証明 等)
- 滞在先住所・連絡先、招へい理由書、身元保証(必要に応じて)
入国時・滞在中の注意点
- 目的との整合性:入国審査で旅程・所持金・帰国意思を聞かれることがあります。回答と書類の一貫性が重要。
- 複数回数次ビザ:有効期間内に何度でも入国可ですが、1回の滞在上限は変わりません。実質的な長期滞在は避ける。
- 再入国:短期滞在には在留カードがないため、みなし再入国の制度は使えません。再訪は改めて入国審査/査証が必要。
- 医療・保険:国保加入できないのが一般的。海外旅行保険を手配しておく。
延長はできる?(原則不可/例外)
短期滞在の在留期間更新は原則不可です。やむを得ない人道上の事情(急病・看護・天災・航空便欠航 等)に限り、管轄入管で個別審査となります。予定ありきの延長前提入国は避けましょう。
よくあるグレーゾーンと代替手段
- 報酬のない講演・軽微な登壇:謝礼・旅費が支払われると就労判断に触れる恐れ。内容により短期滞在(商用)/特定活動での整理を検討。
- 作品制作/撮影:販売や広告・スポンサーが絡むと就労に該当し得ます。芸術や興行、企業案件は技人国を検討。
- 無給インターン:実務提供を伴えば無給でも就労判断の可能性。学校経由の特定活動や適切な在留資格へ。
- 留学の下見→長期入学:下見は短期で可。本入学は留学へ切替(原則は一度出国→査証取得)。
FAQ
Q. 短期滞在でアルバイトやリモートワークはできますか? A. 原則不可です。報酬を得る活動は短期滞在の範囲外です。 Q. 90日を超えて滞在したい場合は? A. 原則は一度出国のうえ、目的に合った在留資格(留学・就労・家族滞在 等)で再入国を検討します。 Q. 短期滞在中に在留資格を変更できますか? A. 原則できません。やむを得ない事情がある場合を除き、適切な在留資格での再入国が必要です。 Q. 医療目的の来日は短期滞在で良い? A. 案件により短期滞在(医療目的)や特定活動のスキームがあります。招へい状・支払能力の疎明が重要です。
関連ページ
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